白くて柔らかい質感。吊るすとふわふわと浮遊するようにゆれる。
それでいて雨を晴れにしてくれる魔法使い。
今回は梅雨の季節にピッタリな、てるてる坊主の美しさについて。
ティッシュから生まれる不思議
てるてる坊主。ティッシュで作ることができる手軽さと、なんだか本当に晴れにしてくれそうな姿。
それはそういう風に教えられてきたからかもしれないけれど、私の中では本当に晴れにしてくれる物だからこそ、そう簡単には作らない。
大事な時にとっておこうと思うと、結局10年以上作らなかった訳だが……
ティッシュって、ほんの少し使ったら丸めて捨てられてしまうことが多いし、そういう役目を背負って生まれてきたと思う。
しかし、てるてる坊主に変身した瞬間、愛らしい物になる。
ゴミとなるか、飾りとなるか。そのギリギリを渡っていく狭き門をくぐり抜けた先で祈りを込められたそれは、ただ物じゃないのかもしれない。
妹が作るてるてる坊主は必ず晴れを連れてきていた
私は幼稚園の頃、遠足の前日には友達とてるてる坊主を作るなんて当たり前だった。
ただ、私の願いは届かず、雨の日はちゃんと雨のまま。
しかし、4歳頃の妹が作り出すてるてる坊主は、必ず晴れを連れてきていた。
だから妹に秘伝の作り方を教えてもらい、私が中学生の時に友達と「明日こそ……!」という日に作ったのだった。
そうしたら本当に次の日は晴れた。完全な雨予報を晴れにしたてるてる坊主はなんだか可愛かった。
(その作り方は秘伝なので、ここには載せられないけれど)
江戸時代にも存在していた
このてるてる坊主、江戸時代には普通に作られていたらしい。浮世絵にもその様子が収められている。
その起源は中国だという説もあれば、日本の妖怪が元になっているという説もある。
1920年に発表された童謡や、1933年に小学国語読本に登場したことから、さまざまな呼び名で親しまれていたそれが「てるてる坊主」という名で一気に広まったそう。
まとめ
「13分後に雨が止む予報です」なんてスマホの天気予報に言われてしまったら、もう焦らなくても晴れはやってくる。
でも、このやさしい見た目は雨を降らせる神様に上手く交渉してくれそうな気がする。
そんなことを思いながら6月にSNSを開くと、今も案外多くの人がてるてる坊主に祈っていた。
技術の進歩だけでは埋まらない、心の拠り所を感じた。
